

街の時計塔が、夜のうちに止まってしまった。塔の中の工房で、相手は歯車をひとつずつ外して原因を探している。朝の汽笛までに動かさないと、街じゅうが遅刻するらしい。
一緒に体験する人 — 好きな相手と
ほかの物語

終電を逃した夜ミラと体験駅に残ったのは、あなたとミラだけだった。
雨の日の約束凛と体験傘を持ってきたのは、二人のうち一人だけだった。
夜明け前の整備工場茜と体験まだ暗い港の風と、油の匂いと、手伝えという声。
深夜二時のコンビニ葵と体験レジの向こうの店員は、なぜか扇子を探している。
閉園後の温室ユズと体験閉園のチャイムが鳴っても、ガラスには雨の音が残っていた。
閉店後のまかないカイと体験火を落とした店で、一人ぶんだけ多く作った皿。
日曜朝の河川敷ヒナと体験一人足りない。ライト、守れる?
乗り間違えた好きな相手と話しながら乗ったら、逆方向だった。
始発を待つ好きな相手と行こうと言った話が、その日のうちに本当になった。
借りた台所好きな相手と人の家の台所で、道具の場所がひとつも分からない。