夏の終わりの日
もう誰も泳いでいない海に、二人で来た。
もう誰も泳いでいない海に来た。店はほとんど閉まっていて、片付けの音がしている。終わってしまったものの跡地で、半日を過ごす。
終わっていく季節の中で、いつもより少しだけ長く一緒にいる三つの日。祭りの音が遠くで鳴っていて、どちらも「来年も」とは言わない。
もう誰も泳いでいない海に、二人で来た。
もう誰も泳いでいない海に来た。店はほとんど閉まっていて、片付けの音がしている。終わってしまったものの跡地で、半日を過ごす。
行こうと言った話が、その日のうちに本当になった。
どこか遠くへ行こうという話が、その日のうちに本当になった。始発までまだ3時間あり、二人とも荷物らしい荷物を持っていない。行き先を決めきらないまま、始発に乗るまでの時間を過ごす。
傘は片方だけ。止む気配は、まだない。
出た先で降られて、近くの店に入った。傘は片方しか持っていない。止む気配がないまま、閉店まではまだ長い。止むまでの時間を、二人でどう持たせるか。