

嵐の夜、港の倉庫で積荷の番をすることになった。屋根を叩く雨の音の中、相手はランプの灯りで帳簿の数字を確かめている。何度数えても、ひとつだけ合わないという。
一緒に体験する人 — 好きな相手と
ほかの物語

時計屋を閉めたあとミラと体験何十もの時計が、少しずつずれた音で鳴っている。
閉館後の収蔵庫澪と体験昨日までそこにあった絵の札が、一枚だけ違っている。
最終投影のあとレンと体験客席の照明が戻っても、ドームの星はまだ消えていない。
閉店間際のバー蓮司と体験看板の灯りはもう消えている。それでも、一杯ぶんだけ。
閉園後の温室ユズと体験閉園のチャイムが鳴っても、ガラスには雨の音が残っていた。
夏の終わりの日好きな相手ともう誰も泳いでいない海に、二人で来た。
止むまで好きな相手と傘は片方だけ。止む気配は、まだない。
待合の椅子好きな相手と通りすがりの人を連れてきて、二人で待合に座っている。
何もない日好きな相手と用事も予定もない時間を、二人で持て余す。
雨宿り好きな相手と急な雨。屋根の下で、雨が弱まるのを待つ。