第1話 — 夜十時の先輩

夜十時からの、葵さん

第1話 · 葵と

夜十時。終電前の駅前コンビニはまだ混んでいる。今夜から、あなたはここの夜勤だ。

レジの向こうの葵は制服のポケットで震えるスマホを押さえ、深く頭を下げた。名札が床に落ちる。

画面の端には〈朝六時、お荷物の件で〉。葵は通知を伏せ、まず名札を拾おうとする。

  1. 葵

    本日より教育係を務めます、三か月先輩の葵ですわ。……あら。名札までお辞儀してしまいましたわね