恋愛ゲーム・掛け合い・推しの違い
恋の選択を友人に見られる楽しさ――『Monster Prom』から考える、観客のいる恋愛ゲーム
OTHERLIFE編集部 · 公開
常緑解説。恋愛ゲームの返答を、友人に見られながら選んだらどうなるだろう。『Monster Prom』の公式説明を入口に、一人で相手を攻略する時間とは違う、選択を見届け合う楽しさを考える。
経緯・解説
公式説明で確認できる入口
『Monster Prom』のSteam発売日は2018年4月27日。Steamの公式説明では、1〜4人で遊ぶ競争型の恋愛シミュレーションとして紹介されている。
開発元Beautiful Glitchは公式資料で、作品が目指す語り口を軽いパロディとして説明している。以下はこの公式説明を手がかりにした、会話体験についての考察である。
編集部の考察
返答には、相手と観客への二つの顔がある
一人で遊ぶ恋愛ゲームでは、返答を選ぶ理由を自分の中にしまっておける。優しい言葉を選んでも、意地悪な言葉を試しても、画面の外から理由を聞かれることはない。そこに友人がいると、選択は小さな発表にもなる。「その返事をするんだ」という反応によって、自分でも気づいていなかった好みが言葉になる可能性がある。
たとえば、成功しそうな返事と、笑ってしまう返事が並んでいる場面を想像したい。相手との関係を進めたい気持ちに、友人の反応を見たい気持ちが重なる。そこで生まれる迷いは、正解を知らないことだけが原因ではない。その場にいる人たちと、どんな時間を作りたいかという選択でもある。
編集部の考察
同じキャラクターでも、好きなところは揃わない
推しについて話す面白さは、好みが一致した瞬間に限られない。自分が冷たいと感じた返答を、友人は不器用でかわいいと読むかもしれない。強気な態度を頼もしさとして受け取る人もいれば、少し離れて眺めたくなる人もいる。その違いを聞くと、キャラクターの台詞を別の角度から読み直せる。
ただし、好みを説明する会話が採点になってしまうと窮屈だ。「この人物を好きになるのが正しい」と決める必要はない。どの言葉に惹かれたか、どの場面で気持ちが離れたかを持ち寄るだけでよい。キャラ属性を一枚のラベルに閉じ込めず、具体的な返答から話すほど、推しの違いを楽しみやすくなる。
編集部の考察
攻略の前に、選ぶ理由を一言添えてみる
試すなら、選択の直前に理由を一言だけ添える方法がよさそうだ。「この人物には率直に言いたい」「成功より、この返事の反応を見たい」。長い解説は要らない。結果が出たあとで、その理由と反応を比べれば、自分が何を期待して会話していたのかが見えてくる。
振り返るときも、成功回数だけを数える必要はない。友人の選択で印象が変わった台詞や、自分では選ばなかった返事を一つ挙げてみる。その違いが残れば、一緒に遊んだ意味は十分にあるだろう。
一人で深く入り込む時間にも、誰かと笑いながら眺める時間にも、それぞれの魅力がある。『Monster Prom』の紹介から考えたいのは、恋愛の選択を共有すると、画面の中の相手に加えて、隣にいる人との掛け合いも生まれるという可能性だ。推しを選ぶ時間が、互いの読み方を知る時間へ広がっていく。
あなたなら、何と言い返す?
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確認に使った資料
作品の設定・発表・投稿の事実と、編集部の読み方を区別して紹介しています。情報の確認基準日は2026-10-09です。