RPG・主人公像・会話体験
選ばれし者に疲れたら――Martin Klímaの見解から考える、普通の主人公の会話
OTHERLIFE編集部 · 公開
物語の主人公には、世界を救う使命が必要だろうか。Warhorse Studios共同創業者Martin Klímaの見解をきっかけに、特別な運命を持たない人物が、会話を通じて居場所を得る体験を考えたい。恋愛や掛け合いでも、小さな応答の変化は冒険の手応えになりうる。
経緯・解説
確認できた事実:元インタビューは9月25日公開
PC Gamerが2026年9月25日に公開した一次インタビューで、Warhorse Studios共同創業者Martin Klímaは、選ばれし者になるRPGへの飽きを語った。普通の人物が世界の救世主にはならない、大きなRPGという構想を説明している。
背景資料として参照するGamesRadarの記事(取得したページでは掲載日未確認)も、Martin KlímaのRPGに関する見解を紹介している。元インタビューと同一の記事ではなく、別の紹介記事として区別する。また同報道では、力を得る願望を満たす物語自体が悪いのではなく、繰り返しに疲れているという趣旨の発言が紹介されている。
出典:PC Gamer:Warhorse共同創業者Martin Klímaへの一次インタビュー / GamesRadar:Martin KlímaのRPG観を紹介する背景資料(掲載日未確認)
編集部の考察
考察:普通の主人公にも、選択の重みを置ける
ここからはOTHERLIFE独自のゲーム・会話体験の考察だ。普通の主人公という言葉から、何も起こらない物語を想像する必要はない。世界全体の運命を背負わなくても、ある約束を守るか、気まずい相手に話しかけるか、失敗を認めるかという選択には、その人物の生活を変える重みを置ける。
たとえば、架空の会話場面を考えてみよう。昨日断った頼み事について、今日は理由を説明する。相手はすぐには納得しないが、主人公の事情を一つ知る。ここで得られるものは称号や勝利ではなく、次の話を聞いてもらえる足場だ。変化が小さいからこそ、どの言葉が関係を動かしたのかを追いやすい。大きな使命と別の尺度で、プレイヤーの行動を意味あるものにできそうだ。
編集部の考察
考察:好かれる理由を、日々の応答から作る
恋愛の物語にこの視点を持ち込むなら、主人公が特別だから惹かれるという説明だけに頼らず、相手が何を見て関心を持ったのかを描く方法が考えられる。話を最後まで聞いた、約束の変更を早めに知らせた、冗談が通じなかったときに言い直した。そうした具体的な行動があれば、親しさの変化を読む手掛かりになる。
ただし、丁寧に振る舞えば必ず恋愛が成立する、という仕組みにしてしまうと、応答は相手を動かすための点数稼ぎになりやすい。架空の人物にも、好みや予定、断る理由を持たせたい。こちらの言葉が届いても、返事は期待どおりとは限らない。その余地があるから、返ってきた質問や誘いを、一方的な報酬ではなく、相手からの働きかけとして受け取れるのではないか。
編集部の考察
考察:成長を、会話の続き方で感じる
普通の主人公の成長を表すなら、最初はできなかった会話が続くようになる、という変化も面白い。意見を求められて黙っていた人物が、自分の希望を一文で伝えられる。失敗を隠していた人物が、助けが必要だと認める。能力値の上昇とは違うが、以前の場面を覚えているプレイヤーには、確かな前進として映るだろう。
会話型の体験でも、毎回大きな事件を起こすより、前のやり取りが次の返事にどう残るかを設計してみたい。たとえば、苦手だと話した話題を相手が避けるだけでなく、話してよい範囲を聞いてくれる。これは無条件に察してくれる理想像より、互いに調整できる関係として描ける。穏やかな会話にも、選ぶことと確かめることの楽しさを置けるはずだ。
英雄的な物語を楽しみたい日もあれば、誰か一人と話が通じる物語に入りたい日もある。その好みを年齢や成熟度の順位に変える必要はない。今回の見解を、自分がどの規模の変化を味わいたいか考える入口にしたい。世界を変える達成感、仲間との信頼、言いにくいことを伝えられた安心。同じ主人公体験という言葉の中にも、求める手応えはいくつもある。
あなたなら、何と言い返す?
OTHERLIFEの架空の成人キャラと、選択肢・自由入力で会話を試せます。登録前の無料Web体験には会話回数の上限があります。
確認に使った資料
作品の設定・発表・投稿の事実と、編集部の読み方を区別して紹介しています。情報の確認基準日は2026-10-08です。