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推しの話を聞く楽しさ――『Coffee Talk』から考える、聞き役の距離感

OTHERLIFE編集部 · 公開

常緑解説。キャラクターに近づく楽しみは、自分が特別な相手になることだけではない。『Coffee Talk』の公式説明を入口に、話を聞き、飲み物を差し出す関わり方の魅力を考える。以下は公式情報から展開する編集部の考察であり、実プレイによる評価ではない。

経緯・解説

確認できた発売日と物語への関わり方

『Coffee Talk』のSteam発売日は2020年1月29日。開発元Toge Productionsの発売前の記事にも、同日を発売日とする記述がある。

公式ストアは、人々の悩みを聞き、温かい飲み物を出して助けるゲームと説明している。また、物語の分岐は会話の選択肢ではなく、客への飲み物の提供によって決まるとしている。

出典:Coffee Talk — Steam公式ストア / Coffee Talk Fan Art Contest — Toge Productions

編集部の考察

考察:聞くことにも、プレイヤーの意思を置ける

会話に参加するとき、気の利いた返答をしなければならないと考えると、相手の話を聞く時間まで次の答えを探す時間になってしまう。飲み物を差し出すという関わり方は、言葉を増やす以外にも応答がありうると考える入口になる。人物の話を受け取ったあと、何を手渡すか。その小さな行動に、聞き役としての姿勢を重ねられるのではないか。

ここで興味深いのは、操作の大きさと関係への関与を同じ物差しで測らなくてよいことだ。物語全体を指揮しなくても、目の前の相手に注意を向けることはできる。大きな事件を解決する主人公とは違う位置から、人物の言葉を味わう。公式説明は、そのような物語との付き合い方を想像させる。個別の提供結果については、この記事では断定しない。

出典:Coffee Talk — Steam公式ストア

編集部の考察

考察:近さは、自分の話をする量だけでは決まらない

推しをもっと知りたいと思ったとき、こちらに向けられる特別な言葉を期待することがある。一方で、その人物が別の相手と話す様子や、何について迷っているかを見る楽しみもある。自分との関係だけを中心に置かずに眺めると、キャラクターの魅力を、こちらへの優しさだけで判断しなくて済む。

聞き役の距離感には、相手の話の主役を奪わないという面白さがあると思う。すぐに自分の経験へ置き換えたり、望む結末へ誘導したりせず、まず何を言おうとしているのかを追う。これは現実の相談に対する処方箋ではなく、物語を読む姿勢の提案だ。好きな人物の言葉を丁寧に読むことで、好きな理由が外見や属性から少しずつ具体的な振る舞いへ移っていくかもしれない。

出典:Coffee Talk — Steam公式ストア

編集部の考察

考察:助けたい気持ちと、結末を決めたい気持ちを分ける

相手に何かをしてあげる行動を選ぶと、その後の展開まで自分の望みどおりであってほしくなる。しかし、キャラクターへの関心を楽しむなら、助けたい理由を一度見直してみるのも面白い。相手が落ち着くことを願っているのか、自分が役に立ったと感じたいのか、それとも好きな関係性へ進んでほしいのか。似た行動にも、いくつもの期待を重ねられる。

その期待を自覚すると、物語の予想外の応答も読みやすくなるはずだ。結果が気に入らないときも、人物の判断そのものと、自分の願望との食い違いを分けて考えられる。飲み物の提供が分岐に関わるという公式説明を、人物を完全に操れる約束として読む必要はない。むしろ、どんな意図で関わったかを考えながら、その先の言葉に耳を傾ける視点を持ってみたい。

出典:Coffee Talk — Steam公式ストア

編集部の考察

考察:印象に残った一言の前後を読む

掛け合いを楽しむためには、強い台詞だけを拾うより、その前後で話題がどう動いたかを見るとよさそうだ。なぜそこで言い直したのか。誰の発言を受けて調子が変わったのか。冗談が会話を軽くしたのか、それとも本題を避けるために使われたのか。これらは本作の具体的な台詞の紹介ではなく、人物の声を読むための観察項目である。

気になったやり取りがあれば、「この人物はこういう性格だ」とすぐに固定せず、どの相手、どの話題で現れた反応なのかを考えてみたい。同じ人物でも関係によって違う面を想像できる余地が残る。推しを知る楽しみを、属性の答え合わせから、言葉と応答の細部へ広げる。聞き役として物語に入るという発想は、そのための穏やかな入口になると思う。

出典:Coffee Talk — Steam公式ストア

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確認に使った資料

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